花道・三井・宮城ときたら・・・残るのは一番厄介な・・・
「その手は・・・・何ですか?」
「チョコ。」
「・・・・・・・・・・・・な、何のことだかさっぱりわからないよ?流川くん・・・」
『Happy Valentine』
授業も全て終わり、やっと部活だ!と思った矢先・・・
部室の前に立ちふさがる流川に、は心の中で彩子の名前を連呼した。
――― 彩ちゃん彩ちゃん彩ちゃん彩ちゃん彩ちゃん彩ちゃん・・・ ―――
でも彩子は召喚できず、流川が1歩近づけばが1歩下がる。
そしてまた1歩、更に1歩。
・・・・トンッ・・
冷たいコンクリートの壁の感触には冷や汗が背中を伝うのを感じた。
「貰ってやる。」
「〜〜〜〜〜〜〜〜っだ、だってホラ!甘いもの好きじゃないでしょ?」
顔の横に手を突かれ、流川との距離のなさにあわあわと逃げ道を探す。
「のなら・・・食う。」
「―――――――っ!!」
何てことをサラリと言うのか・・・
流川の言葉には真っ赤になり、きゅっとスカートを握る。
その顔の可愛さといったら・・・ついついここが廊下だってことも忘れてしまうほどで、
流川は無いに等しい距離をまた縮めようと壁へ突いていた手をへ回す。
・・・・・はずだった。
「ハイハーイ!そこまで。たく、何考えてんの流川。」
縮めるはずの距離は彩子が間に割り込んだことで開き、そのままはズルズルと連れて
行かれてしまう。
「そんなにチョコが欲しければ体育館で大人しく待ってなさい!まったくどいつもこいつもっ!!
わかったわね、る・か・わっ!」
「・・・ウス・・」
は連れ去られたが、どうやらチョコは貰えるらしい。
彩子の言うことの半分も理解できなかったが、とりあえず流川は大人しく体育館へ向かった。
流川、おあずけ決定。